百万人の山と自然
安全のための知識と技術(公開講座より)
②風速と体感温度
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写真は、新穂高ロープウェーより笠ヶ岳
安全のための知識と技術
カテゴリ
①高度と気温 | ②風速と体感温度 | ③遭難の原因 軽登山でも必需品とは |
④標高と酸素濃度 | ⑤富士山の紀行 事故 遭難エリア |
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はじめに
前ページで標高が高くなると気温が下がる
事を理解した所で、このページでは風速と
体感温度を紹介致します。
先ずは、どうして風に寄って体感温度が
下がるのか?
これは、風がなければ身体の周りに体温で暖め
られた空気の層ができて、空気の断熱効果で寒
さを緩和しているからです。
風が吹いてその断念効果をもたらした、空気の
層が吹き飛ばされると体温が奪われ行くからで
す。一般的には湿度に若干影響されるが
「風速1m」に付き「1℃」
冷たく感じると言われます・
詳細な体感温度を知りたい方は
体感温度・自動計算サイトへ
こちらへ
風速と体感温度
4月 西穂山荘付近より
(樹氷 4月でも真冬状態)しかし
ここで大切なのが、気温が氷点下の場合もっと
寒く感じる事です。
(グラフ参照)
米国ナショナルウェザーサービスの風速と体感
温度の関係グラフ
例グラフより
気温10℃の場合、風速10mだと 体感温度は
「0℃」
一般的な、風速1mに付き1℃下がる。
気温-10℃の場合、風速10mだと 体感温度は
「-29℃」
気温が氷点下になると、寒く感じます。
前ページ(標高と気温より)
例「8月平地30℃」標高3000mの立山では
標高1000m上昇すると「6℃」低下する事
より3000mでは、6℃×3=18℃低下する
30℃-18℃=「立山は12℃」
しかし、これは平均気温であって
状況次第では、更に6℃は下がる従って
立山の気温状況に寄っては
平地30℃であっても6℃の場合もある
まで紹介しましたが、この6℃の状態に
「風速10m」をプラスすると
6℃は氷点下ではないので体感温度は
風速1m毎に1℃低下するので10℃低下より
先程の6℃から10℃を引くと
「-4℃です。」
まとめ
8月平地30℃の場合は標高3000m級の立山は
「平均温度12℃」場合に寄っては「6℃」とな
りその状況で「風速10m」の風が吹くと体感
温度は「-4℃」
真夏平地30℃であっても3000m級の山の体
感温度は氷点下になる場合があり、さらに雨
天になると更に体温が奪われ体感温度は低下
します。
山に登る際は天気予報をよく確認して
十分な装備を携帯することをオススメします。
体感温度
寒さによる影響
体感温度 | 寒さによる影響 |
4℃~-6℃ | 寒い・不快 |
-7℃~-17℃ | 大変寒い・大変不快 |
-18℃~-28℃ | ひどく寒い・露出した皮膚は5分以内に凍結する。 |
-29℃~-56℃ | 極端に寒い・露出した皮膚は1分以内に凍結する。 屋外行動は危険 |
-56℃以上 | 極端・露出した皮膚は30秒以内に凍結 |
4月のの西穂高・丸山付近より4月でも真冬の様
な寒さ稜線は風速10m以上は吹いてます。
「冬山装備が重要である。」
また真冬でも止むを得ず行動する場合
防寒装備にはインナーウエアーは軽くて保温性
の高い衣料をゆったりと数層に重ね着します。
これにより各層に貯えられた空気層が保温しま
す。アウターシェルは防水、防風効果がありフ
ードがあるものが必要体温の1/2は頭部から
失われるので帽子は必ず必要です。極端な冷気
から肺を守るために口を覆わなければなりませ
ん。
手袋はグローブよりもミトンの方がより有効です。
極寒環境でのポイントは常に乾燥を保ち、
防風に心掛ける事が重要とあります。
先ず風速とは「風速○mとは1秒間に空気が移動」
を表します。空気気圧の高いところから低いところ
へ流れます。「これが風」 気圧の高低差が大きく
なれば流れが速くなり 低気圧の場所ができると周
りから空気が流れ込んできます 。気圧が低くなれ
ばなるほど空気の流れが速くなり この空気の流れ
が地球の自転の影響で渦をまきます。
風速の目安
風速 (m/s) |
予報用語 | 人への影響 | 屋外・樹木の様子 |
10~15 | やや強い風 | 風に向って歩きにくく なる。傘がさせない。 |
樹木全体は揺れる。電線が 鳴る。 |
15~20 | 強い風 | 風に向って歩けない。 転倒する人もでる。 |
小枝が折れる。 |
20~25 | 非常に強い風 (暴風) |
しっかと身体を確保しないと 転倒する。 |
|
25~30 | 立っていられない。 屋外での行動は危険 |
樹木が根こそぎ倒れ 始める。 |
|
30~ | 猛烈な風 |
これだけは、覚えておく!
瞬間風速は平均風速の1.5~3倍以上になる。
風速15~20m/s「強い風」
風に向って歩けない転倒する人もでる。
風速20~30m/s「非常に強い風」
立っていられない屋外での行動は危険
目安
風速10m/sを越えると風に向って歩きにくく
風速15m/sを越えると風に向って歩けない 転
倒する人もです
ここで資料より
北アルプス剱岳 稜線の風を紹介します。
稜線は、冬期のみならず夏期も強風が吹く
「最大風速46m/s(3月)」人間が簡単に
吹き飛ばされる。
年平均風速 7~8m/s
平野部の2~3倍強い
辛い登り坂を終え稜線に出ると安心感があ
るが、汗で濡れた衣服に強い風の稜線に出
たら体温調節に気を配る事が重要
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